2008年7月の日記

7月20日 テンションでラストセッション

*テンション:お客さん参加型のライブバーhttp://live-spot-tension.com/

カルメンマキ&OzのコピバンUzのベースのかめちゃんが,急な転勤で北海道に行くというので,昨日テンションで壮行会みたいなのをやった.すでに,Uzにはオリジナルメンバーが二人しか残っておらず,これって,ジョンロードが抜けてイアンペイスだけが残ったディープパープルみたいなもんだし,すでにバンドの存在意義がないような.

かめちゃんは転勤族なので,全国を飛び回って仕事をしている.しかも,今回なんか,2週間くらい前に突然「君,北海道ね」などといわれて,かめちゃんは慣れたもんで,すぐに札幌のマンションとネットで契約し,今日飛行機で飛んで行ってしまった.

昨日はすでに引っ越しも終えて,マンションも引き払っていた.

かめちゃんはお酒に弱く,昨日も水割りを3cm位飲んだだけでまっかになっていたので,あーこれは,飛行機に乗れないな,などと踏んでいたが,先程ミクシーで確認したら,どうもちゃんと飛行機に乗ったようだった.惜しい・・・.

私は仕事,子育て,姑の三重苦でなかなかバンドを思いっきりできないのだが,かめちゃんはそんな私がいても,バンドをうまく持っていけるように色々と気を使ってくれた.ただ単に背が高くて高いところに手が届くズラがよく似合うだけの人ではなかったのだ.

昨日も,私のレパートリーの曲をセッションで仕込んでいてくれた.自分の壮行会だからそんな気をつかわなくてもいいのに.


壮行会は,かめちゃんの知り合いばかり何十人もやってきた.それでもほんの一部だ.かめちゃんはベーシストなので,全国でバンドをやっている.そうやって友だちをたくさんつくっている.バンドまでやらなくてもテンションでやたらとセッションでベースを弾いて居たので,そういう友だちもたくさんできている.

なかなか知らない人と知り合うのは難しいが,かめちゃんの場合はベースがあるので,自然と仲良くなるわけだ.ベースって大体人材不足だから,そういう意味ではすごい武器だよなあ...


かめちゃんがやったセッションの中にフォリナーがあって,その関係のギターの人が今はUzでギターを弾いてくれている.この人はギターを持たせると世界一かっこよく,しかもシルバーアクセサリーの技術者らしくて,なんちゅーかアーティストな人なのだ.

昨日はそのギターの人が奥さんもつれてきていて,この人がまた,コードさえあれば何でも弾けるで型のピアニストで,ギタリストとピアニストの夫婦なんて,すんごいなあ,理想のまま走るとこういうこともあるのか?と思った.

例えば,大学のサークルではそう言う二人がおつきあいするってのもよくある話しなんだが,そのまま結婚して,現在40歳半ばですっていうのを目の当たりにすると,ああ,純粋なまま突き進めるある種の理想みたいな二人がこうやって現実にいるのだなあと感心した.

普通はサークルでそんなことやっていても,もうバンドやめたりもするよなあ.

でも,良く考えると,ジェフベックで知り合ったりおさんちもドラムとベースだからおんなじか.

そういや,おーつかさんちも大学のサークルじゃないにしろ,ギターとベースか.

いいよなあそういうの.お互いが趣味同じだったら,恋愛状態が過ぎても,お互いが理解しあえるよなあ.

で,昨日もそのギターの人は,お店の人が「限界までストラップのばさんと」とか「まだのばしたらんか」とかいいつつ,ストラップをのばすほど,低い位置でレスポールを持つのよね.ある程度腕の長い人だとは思うけど,やっぱギタリストは形から入らないとだめだよなあの典型である.すばらしい.ジェフベックといえども,あの一生変わらないヘアスタイルと引き締まった二の腕とあの雰囲気が無ければ,はっきりいって,ただギターがうまい人でしかないよな.まあ,うまいというか,「やたらうまい」「超人的」というのかもしれんけど.あの還暦過ぎてもあの格好というのがロックやないか?

そう言う意味で,その今のUzでギターを弾いてくれている人は私にとって大正解なわけで,やっぱりレスポールは思いっきりストラップをのばさないと.

と思っていたら,その奥様が「かっこつけてー,みっともない」とやたら謙遜していた.しかも「ぎゅいーん」とギターをならしたら「げっ,いやな予感がする.うるさそー」とさらに謙遜されていた.

すみません,その後,私がボーカルに入り,さらにうるさい演奏を奥様に聞かせてしまった.嫌われてしまっただろうか?


私達が演奏したあと,大阪の八尾高校からずっと同じメンバーでやっているバンド(というだけで上手そう)がでてきて,ばりばりなカシオペアを演奏した.きくと,ベースとキーボードは夫婦らしい.きみらもか.そうやって,何も曲げず,理想を通した君たちはなんて偉いのだ.ふつーはどっかで挫折したり,冷静になったり,妨害が入ったりするものなのに.

ギターもドラムもやたら上手だった.

大阪だから,こうやってみんなが地元に残ってバンド続けられるんだろうなあ.高知なんててんでばらばらだもんな.正月に皆帰ってたまにあわせるくらいか?うちのバンドなんて,最後の面子考えると,高知に残ったのはキーボードのまなみちゃんだけ.まなみちゃんは今も精力的に音楽を精進している.まなみちゃんはすごいよなあ.音楽で食べているけど,何に対してもポジティブ.偉いよなあ.ギターのRyujiは東京でプロでがんばっている.ベースは10年くらい前に蒸発して消息不明.ドラムのMさんは今香川で盲目の御主人とがんばってる.もうひとりのギターのにこちゃんは,東京で修行した後立派に実家の外科を継いで地元の大先生になった.やっぱり全員が地元に残ってちゃんと同じ音楽をずっとやれるってとこがすごい.

しかも,当時フュージョンははやっていたからいいけど,いまだにやっているとこがすごい.

昨日同じテーブルで飲んだフォリナーバンドの人たちとも同じような話をしたけど,フュージョンって確かにはやったから一度は通る道なんだけど,それを通すってのはすごいよなあと思った.

ところが,今Uzでギターを弾いている,ギターを持たせたら世界一かっこいい彼だけはフュージョンには全く走らなかったのだという.理由は

「ギターを高い位置で持つ人たちに興味が湧かなかった」

あなたは正しい.正しすぎる.やっぱりあの年期の入ったかっこよさはそういうポリシーを20年以上貫いたあなただからこそ身に付くものです.

彼と私は同い年,うさぎどし.なのに,この違いはなによ?一方はポリシー貫いてかっこいいアーティスト.私は日々会社と姑と息子に振り回される小市民.ギターもそんなに低くは持てないのだった.

 

 

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