2007年10月の日記

10月8日 秋休み

息子の学校は二期制で,夏休みが短い代わりに秋休みがある.10月の第1週がこれにあたるが,体育の日の連休とか,うちの会社のゴルフ休暇(よくわからないが平日に休みが入る制度.全員休み.)がたまたまこれにあたり,自分も休暇をとったので,結構家でのんびりした.

というか,久々に風邪ひいてしまったので,家に居ざるを得なくなったというのも理由の一つである.まずは息子が風邪の症状が出たので,耳鼻科につれていくと,「ハウスダストをアレルゲンでもっていると,寒暖差がアレルギーを引き起こす」とのことだった.というわけで,抗アレルギー剤をもらってきて,すっかり息子はよくなったものの,今度は両親共にこの症状に悩まされたのだった.私は年中抗ヒスタミン剤を飲んでいるので,特になかなかよくならず,そのまま会社行って実験したりしていて全然よくならないのだった.呼吸器系がつらいと,「はーーーっ,しんど〜」って感じになる.バンドの練習もあったので,それも行ったけど,もうしんどくて立ってられないかんじ.歯も痛くなるし散々.

ただ,悪いことばかりじゃなくて.

久々によく眠った.私はもともとよく眠る方なのだが,会社員やっていて,お母さんやっていて,バンドもネットもやるとなると,なかなか惰眠を貪れないのだった.それに,家には常に緊張感走っているし.

それで,たまに実家に帰ると,親に呆れ返られる位よく眠るのだったが,それをやってしまった.まず,夜は11時頃に寝る.夜中にトイレや咳きで何度か起きるが,気が付くと昼の12時だ.実家と違うところは,ここで一旦起きて,子供の昼御飯を作るということだが,作って自分も食べてまた暫くすると寝てしまった.で,目がさめたらもう6時だ.ここで夕飯の準備して御飯たべて,また寝る.良く寝ているので寝られないかというと,そんなことは全然なくて,次の日もやっぱり眠いのだった.

ストレスやなんかで,やたら早く起きてしまったり,夜中眠れなかったりして,私も年をとって寝力(ねぢから)がなくなったと思っていたが,どうもそんなことはなかったようだった.

そんな幸せな惰眠生活も終わり,明日からまた会社.復帰できるんだろうか?木曜日には,和歌山で出張実験もあるってのに.

息子は明後日から合宿旅行なのだった.新大阪から我が家にちゃんと帰って来れるだろうか?迎えにいかなあかんやろな....

 


10月20日 ロックスター

なーんか好きになれないロックスターがいる.実は彼のボックスアルバムなんかも持っていたりして,それを人に貸したりしているので,私が彼を好きだと勘違いしていた知り合いもいた.彼の演奏には好きなところがある.という程度である.それに全部聴かないと,好きなのか嫌いなのかわからないではないか?

正真正銘のスター.来日するたびに大きなホールを満杯にする.集金活動とも言われている.高級ブランドの服をいつも着ていて,ハンサム.神とも言われた楽器の腕前に加えて,歌もうまく,リードボーカルをとる.ヒット曲は数知れず.

世間一般の方からすると,ロックスターというのはこういうものだと思っている人も多いと思う.あまりロックを知らない人でも,この人のコンサートには多分行ってるんだろうなと思う.

なんというか,そういうポップスターとして扱われるなら素直に受け入れられるのだが,時々,そうやって普通の人たちがお洒落や,キャッチーなメロディを愉しみにカップルでコンサートに来るのを見て

「全然わかってない奴らがコンサートに来ている」

などという,ブルースファンみたいな人がいるのが,まず,イヤ.ファンが悪いとかじゃなくて,そういうスタイルをとっている本人がイヤ.今のキャッチーなポップスではなく,どちらかというとマイナーな昔のブルースなんかをやると,やたらと大袈裟に喜ぶような.「お前らこんな曲しらんやろ.これが名曲というものだ.おれは知っているぞ」みたいなことを扇動する(そういう曲をやる)本人がイヤ.

非常に才能のある人で,演奏もそつが無く,上手なのはわかっている.だから,彼が彼の名前でなく覆面ユニット(とはいうものの皆知って居たようだが)でだしたアルバムに関しては,実はフェイバリットの1枚だったりする.

例えばローリングストーンズのように,どこのごろつきかわからんようなのが,へたくそな演奏して,単に立っているだけだったらめっちゃぶさいくそうなのに,演奏したらやたらとかっこいいバンド.ギタリストの変遷と共にバンドもそっくり変わったが,それでも荒井由実が松任谷由実になったように,別のバンドとして,商業的な成功をおさめたバンド.それはそれで素直にかっこいい.ストーンズも昔のファンのために昔の曲コーナーがコンサートにもあるが,それはそれでなつかしのへたくそコーナーという感じで,「初心忘れず」みたいで非常に楽しい.

たとえば.今の若い子たちは知らないが,昔はロックバンドっていったら,「女の子にもてたいから」ギターを弾いたという子か,「リッチーがすごいからリッチーになりたいから」ギターを弾いたという子か,そういうのに似たような同機の子,それに洗脳されて他の楽器をやりだして,やがて,本当の音楽の楽しさを知るというパターンが多かったのではないか?

例えば,クラスで頭もよくて,顔もハンサムで,スポーツ万能で,クラブはバスケ部とかサッカー部で,性格は爽やかで,ブランドを良く知っていて(つまりお金持ちかおしゃれ)なんて子がロックやろうと思うか?中にはいるかもしれないが,非常にめずらしいのではないか.ロックっていうのは,なにかコンプレックスや挫折があって,初めて音楽に共鳴するのではないか?

例えばヘビメタやクラシックやハードロックは職人がらみになるので,そうでもないという反論があるかもしれないが,職人的になるには,その人の人生で何かがあるからだと思う.

職人膚になるか,それともホワイトカラーになるか.それは大きな差があると思う.

そしてミュージシャンたるもの,どういう形であれ,職人で無くてはならないと思っている.別にロックの場合,演奏がむちゃくちゃうまくなくてもいい.へたくそでもいい.でも,バンドをやって,一つの曲をつくっていって,その演奏をきっちり最後までやりとげる作業の大変さを皆わかっているか?

前にバンドと縁がなかった子をバンドにさそって初めてベースをやらせたとき,バンドなんて,ちょろちょろ遊びでやるもんだと思っていたが,全然違って居た.まず練習スタジオに入る前にその練習のための練習を家で一人きりでやらなくてはいけない.そんなクライ人生,大丈夫か?といっていた.

ストーンズのように,テクニックに走るのではなく,かっこいいことを追求するのだって,職人だ.そのかっこよさとは,世間でいう「生まれつき顔だちがよい」ことから起因するものではない.ぶさいくでもかっこいいのだ.

これは一昔前の少女マンガで,主人公が貧乏でぶさいくで,お金持ちで美人の女性にいじめられるが,最終的には主人公が勝つというのに少し似ている.(実は主人公はぶさいくではなくかなりレベル高いのだが,読者が読んで共感を得られるという意味で)

そういうところが一個もない彼がどうしても好きになれない.

そういう私なのでこないだのエリカ様騒動でむかついたという人には同意してしまう.私は最近あまりドラマとか見ないので,実は彼女のことは良く知らないが,それを見てむかついたという人が多いとか苦情が殺到したというのはよくわかる.道義的なことだけじゃなくて,本能的にむかつくのではないか?

彼もよく横柄な態度をテレビなどで見せる.でも,彼はスーパースターだから良いのだ.という感じだ.さらに今は大衆向けポップスなのに,高級ブランドの服をまとって「本当はブルースの神様だ」というとこがむかつく.

私は,「服のセンスがない」「ステージングが変」「若い嫁をもらって浮かれている」「還暦を超えていまだにギターを毎日練習している」「菜食主義」みたいなギタリストが好きだ.もちろん,そんな性格だからではなく,音楽が純粋にすばらしいと思っている.

私はジェフベックのコンサートにもし,全然かれのアルバムも持っていなくて,それでも数曲聴いた曲がいいなとおもって来てくれる一般人がいるなら,それはそれですごくうれしいし,「なんもしらん奴がきている」などと全然思わない.

大半の人の人生は,一筋縄ではいかない.紆余曲折度は多彩だが,必ずつらい時がある.そんな時には,やたらとブランド服で固めたエラソーな奴は見たく無いものだ.一般に混じっているとちょっと変.という位がちょうどいい.

例えば,うちの職場にリッチーブラックモアがあの扮装ではんだごて持っていたり,ジェフベックがパソコンたたいていたりするとちょっと変.でも,ステージに立つと抜群.

そういうのを芸能のプロの世界には求めたかったりします.

 


 

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