2004年9月の日記

9月4日 ギタリストのインタビュー

今日,本屋へ寄って雑誌コーナーへ行ったら,今月のPlayerは表紙が先生(ジェフベック)と商人(ジミーペイジ)だった.なんだかジミーペイジはかっこいい感じだったが,ジェフベックはちょっと後ろの方で,しかもなんだか疲れた感じだった.ほんとうはもっとかっこいいのに.この人がほんとうにかっこいいのはステージなので,仕方ないか.といっても,カメラマンやスタイリストはもっと気を遣ってくれたらいいのに.

中身を立ち読みしたら,この二人のインタビューがのっていた.ここ10年位,ジェフベックは,ジミーペイジのギター離れを気遣うかのように,ジミーペイジに「がんばれがんばれ」と何かと元気づけている.確か,ジミーペイジのお誕生日会とかもやってあげたような気がする.還暦近くなって,お誕生日会というのがかわいい.先生はなんてかわいいのだと思っていた.

しかし,このインタビューを読んでいくにつれて,私がそれまでジェフベックに持っていた先入観である「かわいい」とか「やさしい」性格は実は「とっても小市民」「いじわる」なのではないか?と思われるようなふしがあった.

インタビューでもジェフベックはいつもと変わらずジミーペイジを元気づけている.ジミーペイジはジェフベックの家の近くに引っ越してきたらしい.それを受けてジェフベックが「俺の家の近くに引っ越してきたんだから,もう言い訳せずにギター弾けよ」みたいなことを言っているみたい.(英訳だし,立ち読みなので「みたい」ってことで.)

今まで,この元気づけかたは,「小さい頃から一緒にギターを弾いてきて,ライバルになって,悔しい想いをしたこともあったにせよ,お互い年をとって円熟し,また,深い友情で結ばれた二人の偉大なギタリストの心温まるエピソード」なーんて,感じていた.

しかし,冷静に考えて.

今ジミーペイジが,昨年西新宿で購入したジェフベックの海賊版を毎日おさらいして,毎日毎日8時間ギターの練習を重ねたからといって,昔のように復活できるだろうか?

今ジミーペイジが,新しい家で万全の設備のスタジオに入り,毎日毎日8時間ギターの練習を重ねたからといって,度肝を抜くような傑作アルバムができるだろうか?

そもそも,ジミーペイジはギターの練習をするのか?

ジェフベックは,リッチーブラックモア同様,レッドツェッペリンが出たとき,かなり悔しい思いをしている.ジェフベックはレッドツェッペリンは盗作だと思ったし,リッチーは空港でロバートプラントを見て,エバンスをクビにしてギランを入れている.二人とも,インタビューで何度かジミーペイジの悪口を言っている.

それが,年をとったからといって,急変するんだろうか?

悪く見ると,絶対復活できないジミーペイジを前に,現役バリバリ最前線で,いまだに進歩し続けているギタリストが同情を投げかけて心の中で勝ち誇っているようにもみえる.

私は個人的に先生は性格がよくて,優しくてかわいくて単純な人だと思っているので,今までそんなことはつゆとも思わず,彼がジミーペイジを持ち上げるたびに「なんて友情の深い,優しい人なんだろう」と感動していた.

それなのに,ジェフベックの行動を私が邪推しているのは,実はこのインタビューの最後の方での彼の発言が理由かもしれない.

彼はヤンハマーと再度仲良くなったようで,ヤンハマーと一緒にアルバムを作っているらしい.これは願ったりかなったりで,私がジェフベックのベストアルバムだと思っているのはヤンハマーと一緒につくったワイヤードだ.文句無くワイヤードであり,ワイヤードよりかっこいいギターアルバムがこの世に存在するであろうか?

ジェフベックファンによっては,「ワイヤードのレッドブーツは変」とかいう人も多いが,私はあれがベストだと思っている.スタジオアルバムでありながら,あの緊張感.あれをつくりあげたのは間違いなくジェフベックであり,実はヤンハマーでもある.というわけで,私はヤンハマーと一緒にやることに大賛成.(私が大賛成したところで全く意味がないが)期待も高まる.

が,しかし.ジェフベックはそのことを強調するあまり,(というかたぶん営業的なことだとおもうが)フーエルスからの3枚のダンスミュージックを「単なる通過点」のような意味のことを言っているのだ.インタビュアーがあわてて「私はあれも好きだったんですが」というと,それにこたえて「あれも悪くはない」みたいなことをジェフベックが言っている.

いや,ダンスミュージックっていうのがフラッシュを指しているならいいですよ.私もフラッシュは嫌いだし,あの時期,私は先生から遠のいた.フラッシュだけでなくて,当時やっていたソロもいや.ふーちゃんと,「彼はカントリーみたいなのをやって,なんだかおかしい.ジェフベックも終わった」という話をしていたもんだ.

しかし,違う.三部作といっているから,フラッシュのことではない.間違いなくフーエルスからの三枚のことである.

あれを単なる通過点(リハビリみたいな言い方もしていた)といいますかーーーーー!

今ヤンハマーと一緒にやれることでえらい興奮してそういう風に言っちゃうのもわかるけど,あの3枚もめっちゃかっこええやん!というか,あの時期の彼のギターって,最もシンプルで,変なエフェクター噛まさず,単にアンプに入れただけなのに,あれだけ表現したんだから,テクニック的には頂点なんじゃないだろうか?テクニックだけにおさまらず,全くジェフベックに興味のないギタリストでさえ,フレーズとあの音に感動したというのに.

個人的には3部作のときのルックスは最高だとおもっている.肩の筋肉がちょうどよく,ついたスタイリストもシンプルなものが好きらしくて,昔の変なちゃんちゃんこみたいなのとかじゃなくてモノトーンでまとめている.ルックスというのは,あの年くらいになると,その人柄がにじみ出るものだから,とても重要だと思う.

あのモノトーンに白のストラトが映える.やっぱり,ジェフベックは白のストラトしかない.ワイヤードの表紙になったあの白だ.

それ以上のアルバムができるなら,当然ファンとしてはありがたい.変な方向に行かず,あんまりしゃべりすぎず,かっこいい還暦であってほしい.


還暦といえば.

その本屋でPlayerを読み終えたら,その右上にBurrn!がおいてあった.20周年記念ということで,リッチーのロングインタビューが載っていた.リッチーも来年還暦だ.10月に来日する.大阪公演のチケットはサウンドメイトでとった.席は後ろの方だった.どうなっているんだ,サウンドメイト??

リッチーもルックスは今が最高である.あのBurrn!の表紙をみて惚れない女が居るだろうか?レインボーのころは,ハゲばかりが目立っていたし,パープルのころは,ひょろひょろしていて目つきも悪かった.

リッチーはギターもおしゃれで,インレイが素敵.あのギターは弾きにくそうだから,単なるおしゃれ用なんだろうか?リッチーのインタビューはものすごく長くて,立ち読みはやめて買って帰ろうかともおもったが,最近,お金を使いすぎているので思いとどまり,とにかく立って読み干した.

インタビューの内容は,まあ,いつもと同じような感じで,あいかわらずだなあと思った.リッチーは日本のハードロックリッチーファンを今後も裏切り続けるらしい.リッチーが一人のボーカリストと7年も続けているのは異例のことらしいが,たぶん10年は続くんじゃないだろうか?いいじゃないか,リッチーが幸せなんだし.みんな応援してあげようよ.

ジェフベックもリッチーも毎日毎日ギターの練習をしているらしい.還暦になってもギターキッズのままだ.まだ弾き足りないらしい.しかも,二人とも弾けば弾くほど輝いてきている.いや頭じゃなくて.

二つのインタビューを堪能した.しかし,立ちっぱなしは疲れる.

病気だというのに.

今朝も点滴受けてきたっちゅうねん.

健康になりたい.


9月12日 イライラ

先週あたりから,台風が来たり,地震が来たりでちょっと神経症気味.もともと,音には敏感なタチで,寝ているときに物音がするとびくっとして起きてしまい,その後どきどきして眠れない.台風のときは風邪で雨戸がぼかんぼかんいうので眠れないし,地震も音がするのでそれでどきっとしてしまう.

眠れないとイライラするので,そのイライラが病気に繋がったりする.というわけで先週は血尿→腎盂炎になってしまった.腎盂炎ってネットでひいたら「即入院,1ヶ月療養」ってかいてあるけど,大丈夫なのか私?

お隣の家がたったとおもったら,今度は入れ替わりにお向かいが改装をはじめてしまい,いまだにやっている.朝8時から工事が始まるので,土曜日やら日曜日やらの寝不足解消日がなくなってしまい,ますますイライラ.

朝寝ができないので,体調も悪いし,早く寝ようと思って横になっても,健康な息子が夜中までエンタの神様をみてゲラゲラ大笑いし,当然眠れず.そういう場合って,イライラが後をひいて,結局2時ごろまで,布団の中で悶々.イライラ.

眠れないときって,考えないように考えないようにと思っても,どうしてもイライラする昼間の出来事とか,イライラする会社のトラブルとか,イライラする人間関係とか,イライラするヤツの一言とか思い出してしまう.イライラが雪だるまのようにでかくなり,雪崩のように襲ってくる.

イライラしないようにヘラヘラしよう.


9月15日 イライラ2

12日の午後3時までイライラが頂点に達していたのだが,3時にクイームの練習があり,そこでちょっと解消され,その後おっさんメンバー(注:おっさんとは私も入る)ばかりでうちに集まり,ビデオ鑑賞会をやったことで,一気に解消された.

一気に解消してくれたのは,その場にはいなかったクイームの女の子だった.うーん逸材.大事にしよう.

ストレス解消されたのは,おっさんメンバーのブライアンの解説のせいもあるけど.その証拠に,そのビデオはロジャーさんが持ってきたが,ロジャーさんはそのビデオを家で何度も見ており,その状態では別にストレスを解消するほどの価値はなかったのだ.ところが,うちで3人で鑑賞して,そのビデオの貴重さに気がつき,3人とも一気にストレスが解消された.さらに,その日が過ぎて,別の日になっても,それをつい思い出してしまい,電車の中で一人微笑んでしてしまうほどの威力があった.おそるべし,た○き.

というわけで,腎盂炎も解消されたかと思い,ついつい,無理をしてしまった.解消とはいっても,泌尿器科の医者がずっと抗生剤を処方し続け,私も2週間飲み続けていた.

そしたら,なんと抗生剤の副作用というか,合併症というか,なんというか恥ずかしい病気になってしまった.これはかなり恥ずかしいが,かなりつらい病気でもある.泌尿器科でその病名を告げるとあっさりと「抗生剤の飲み過ぎなので漢方薬に切り替えましょう」といわれた.飲み過ぎるまで出すなー!ちょっと加減というものをしてほしい.

「今朝,薬飲んでないよね?」って医者が聞くんだけど,飲みなさいと言う意味で処方されているんだから,飲んでないわけがない.「飲んじゃいました」と答えると「飲んじゃだめだよー」って.ううう.

いつも思うのだが,大人の薬の用法って,45キロしかない私も90キロある男性も皆同じ量だ.これっておかしくないか?倍半分よ.体重と病気の状態で薬の量を加減してもらえないものだろうか?

というわけで,せっかくビデオで解消されたイライラだったが,はずかしい病気の激しい症状のために,またイライラに戻ってしまった.このイライラのせいで眠れないので,イライラにイライラが積分されていく.

あーはやく全部治って欲しい.


9月18日 Happy birthday!

今朝起きて携帯電話みたら「Happy Birthday!」とかいてあった.おおそうか,今日は誕生日か.おめでとうわたし.晴れて41歳になれました.楽しい41歳になりますように.ここ1週間は加賀さんより2歳年上になるのだった.加賀さん,私を敬うように.

さて,恥ずかしい病気の私だが,よくよく考えていると恥ずかしい症状5レンチャンだった.しかもどれもが関連して次々を起こる.これはなかなかできない経験だ.しかし,恥ずかしいことなので,みんなにいいふらして自慢することもできない.くやしい.自分としては,あれよあれよという間の連続技だったのに.

その恥ずかしい病気も最後の段階に入っていそうなのだが,これがなかなかしつこくて治らない.恥ずかしい体のまま,41歳を迎えてしまった.早く治りますように.

加賀さんとにしなかさんが独自のユニットで今度コンサートに出るらしいので,水筒バンドの活動はたぶん年内はないだろう.ということでクイームの方だが,例の「どんなストレスでも即解消」ビデオの一部がWMVで送られてきたので,クイームのホームページへおいておいた.しかし,この小さい画面にきゅうきゅうにおさまる私たち.まるでシルバニアファミリーのようだ.ロジャーさんなんかちっこくて一生懸命ドラム叩いていてかわいいぞ.


9月20日 楽器を弾く楽しさ

前の日記で,私は楽器を演奏すること自体が最も楽しく,人前でやるのは,その付録のようなものと書いたことがある.これに対して,楽器を始めるきっかけとして「人前でやりたいから」楽器を始める人がいる.楽器をやっている人のタイプは色々とあると思うが,(たとえば,それを職業として仕方なく毎日弾いているとか,親に言われていやいやとかもあるだろうが)私のタイプと,人前でやりたいタイプはある意味両極端かもしれない.私のタイプでも人前でやる楽しみもあるにはある.また,その人前でやりたくて楽器を始めた人も一人で楽器を弾く楽しみもあるいはあるとおもう.この2種類については,人間のタイプが違うのか,たまたま楽器についてそういうタイプだったのかよくわからないが,まあ,こういうことはよくあることだ.

うちのたかちんは,昨年学校の音楽会で木琴という楽器をみて,えらい興味を持ち,木琴が欲しいというので買ってあげた.彼が楽器に興味をもって自ら弾きたいなどということは非常にめずらしいことだ.

で,今日も木琴を弾いていた.だれに習うわけでもないので,へたくそだ.しかし,我流で,学校で習ったピアニカの曲などを一生懸命叩いている.ピアニカで弾くより木琴で叩いた方がよっぽど上手なくらい上達している.私はあのように木琴はたたけない.

彼の練習法は,1.リビングでテレビのマンガ(カートゥーンネットワークが多い)をみる.2.CMに入るなどしておもしろくなくなる.3.机の上の木琴をいじる.というやり方なので,練習は気の向いたときにとぎれとぎれやるという方法だ.

これは私のギターの練習法にそっくりだ.私のギターの練習法は,家で生活していて時間が余ったら弾くという方法なので,(というか,それ以外方法がとれない.)ほぼ彼と同じといえる.しかも曲目は,耳で聞いたことのある自分の好きな歌だ.

そして,彼の木琴だが,絶対に家族以外には聞かせたくないらしい.自分で木琴を叩くことがうれしいだけで,人前でやるなんて,とんでもない.今年の音楽会も木琴のパートの募集があったが,応募しなかった.彼はその他大勢でピアニカをふいて,早く音楽会でのい自分の出番が終われば良いと思っている.

別に何も教えたわけでも強制したわけでもなく,こんなにそっくりなんて,やっぱり親子だなあと思った.


9月26日 熱血先生

子供の運動会に行ったら,となりにいた5年生の先生が熱血先生だった.こんな先生ばっかりだったら,いい子ばっかり育つだろうなあと感心した.彼は,別に「熱血で行こう」と思って熱血なわけではなく,ほんとうに素直で純粋でああなっているのだと思う.周りの生徒も先生に対してとってもやさしかった.

やはり,ああでなければ.何に対しても誠実で真剣でなくては.特に仕事に対しては.私も.ここでいう仕事というのは,単にお金をもらうためのものという定義ではなく,ライフワーク全てに対してである.テキトーというのは結局テキトーな結果しか生まないのではないか?

小さいころは,楽して儲かるといったことを考えた(息子も現在そうである)が,それは「苦労して,金がなくさらに苦労する」ということがないように,というだけで,やはり,仕事というものはお金の問題だけではなく,やはり人生の半分以上をかけて何かをやりとげなくてはならない.残さなくても良いから,だれかのために役に立つ,最低でも,自分で満足できるものでなくてはならない.


 

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